オカワカメは、 雲南百薬(うんなんひゃくやく)とも 呼ばれ、中国では長寿の薬草と言われている野菜です。 ハートの形のぼってりした葉っぱが可愛らしく、強風にも強く良く育つので、食べられるグリーンカーテンとしても人気が高い野菜です。
我が家は、ベランダに面した一面が大きなガラスになっているので夏場はとても暑いのですが、グリーンカーテンとして、オカワカメやミニキュウリを育てるようになってから過ごしやすくなりました。
特にオカワカメは、強い植物で 栽培が簡単でなので、ベランダには向いています。ほとんど失敗はない野菜ですが、ベランダで育てた経験や注意点をご紹介します。
【ベランダ水耕栽培】オカワカメの栽培環境について

オカワカメは、つるむらさきの仲間の野菜です。つるむらさきほどは味に癖がなく、生でも、湯がいても、食べることができます。湯がいた触感や色合いは、上質なワカメに似ています。お味噌汁に入れると、海藻臭さのないワカメのようです。
我が家では、水耕栽培と、プランターでの土耕栽培とでオカワカメを育てています。
オカワカメは、夏の暑さや乾燥にとても強く、水やりをさぼったところで枯れてしまうということがありません。丈夫で育てやすい野菜です。
春からは可愛らしい葉っぱを目で楽しみ、秋には小さな白い可憐な花を咲かせ、さらに山芋のようにむかごも採ることができます。
難易度 | 超・初心者むき |
まき時 | 春 |
生育温度 | 寒さに弱く、暑さに強い。 |
害虫 | 晩秋にコナガ |
病気 | 特にありません。土の使いまわしを避けましょう。 |
日当たり | 日当たりを好みますが、日陰でも育ちます。 |
オカワカメの育て方■難易度、病気や害虫

オカワカメには、アブラムシもつかず 青虫もつかないので、手入れはとても簡単です。
気を付けなくてはいけない病気もありません。虫対策も必要ありません。
唯一、晩秋に、周りの青物野菜がなくなり他に餌になるものがなくなると、コナガの幼虫が寄ってきます。
そのころにはオカワカメも勢いがなくなっているので、来年に備えて撤去してしまいましょう。ベランダに虫がいるのは気持ちがいいものではありません。虫が来る前に片づけてしまえば、怖くありません(笑)
土から上の部分を根元から切り取ってしまい、撤去します。
画像の白い花は、オカワカメの花です。かすみ草のような白い花が、かわいいですね。
オカワカメの育て方■日当たり、温度
オカワカメは、もともとは熱帯に自生する植物です。暑さや湿度、環境の変化にとても強く、日本でも一部の地域では野生化しているほどです。温度に関しては、あまり気にする必要はありません。
冬は、土が凍結すると越冬できずに枯れてしまいます。逆に言うと、土が凍結しなければ越冬が可能です。我が家のベランダでも、水耕栽培の容器に入れたまま越冬をしています。
日当たりに関しては、日当たりがいいところと日陰とで育て比べて、成長に大きな差はありません。ベランダでは日当たりは貴重なので、オカワカメは日当たり重視ではなく、ネットや支柱を張れる場所を重視したほうがよさそうです。
オカワカメは、真っすぐに上へ上へ成長します。
ゴーヤなどは、摘芯したところから横に成長しますが、オカワカメは摘芯しても、真っすぐ上へ上へ伸びていきます。ネットや支柱を張る場所は、必須です。
オカワカメの育て方■培土・容器の準備

土は、園芸土で充分です。 オカワカメは、土に神経を使う必要はありません。
たくさんの土も必要ありませんが、使いまわしの土をつかわないようにしましょう。
写真は我が家の水耕栽培の様子です。炭酸飲料のペットボトルを切ったものに土を入れています。
土はほんの一握り程度ですが、初夏から秋にかけて、たくさんの葉っぱをつけてくれます。そして、秋には容器が変形しそうなぐらいの量の根隗が育ちます。
【ベランダ水耕栽培】オカワカメをペットボトルで育てます

オカワカメはたくさんの土が必要ありません。
私は5年間、少量の土を使う「パッシブ水耕栽培」という方法でオカワカメを育てています。
オカワカメはをペットボトル水耕栽培装置で育てる場合、 500㎖程度のペットボトルではなく、もう少し大きめのペットボトルを使ったほうがいいでしょう。私は1.8ℓの炭酸飲料のペットボトルを使っています。
水耕栽培の必要はなく、小さなプラスティック製のプランターでも同様に育てることができます。
オカワカメの育て方■種まきの方法

種ではなく、根隗やムカゴを土に埋めるのが一般的です。
春に、根隗、またはムカゴを植えます。桜の花が終わったころになると、根隗から、緑色の可愛らしい葉っぱが伸びてきます。そのころが植え付けの目安です。園芸土などに、埋めるようにして植え付けをします。
園芸店で見かけることがあまりないので、育てている人に分けてもらうか、楽天などのネットショップなどで探したほうがいいかもしれません。ヤフオクなどのオークションでも、むかごや苗を見かけることができます。
温かい季節であれば、オカワカメのツルを折ったものを土に挿して、差し芽で育てることもできます。
オカワカメの育て方■水やり・追肥・手入れ
水耕栽培の場合には、水やりと肥料の心配はありません。液肥の入った水耕栽培装置にセットしたままで通年過ごせます。
プランター栽培の場合には、土が乾いたらたっぷりの水をあげます。水は、やや控えめで構いません。
肥料は化学肥料か液体肥料を2週間に一度程度あげましょう。
ほとんど手入れの必要はありませんが、思った以上に葉っぱが茂りツルが重くなるので、ネットや支柱は丈夫なものがおすすめです。うっかりしていると、ツルがどんどん上に伸びて行ってしまうので、せっせと摘んで食べましょう。ツルも、先端の柔らかいものは、葉っぱと同じように食べられます。
オカワカメの育て方■越冬の仕方

オカワカメの根隗は、春まで土が凍らない地域では、そのまま越冬が可能です。
土が凍る地域では、秋に根隗を掘り出し、新聞紙などに包んで冷暗所で保管しておきます。
我が家は東京で、冬でも地面が凍結することがないので、春まで植えっぱなしです。
春まで土に入っていたオカワカメの根隗は、ぱつんぱつんに肥えて大きくなっています。
冬に霜柱ができるような土地では、オカワカメの根隗を掘り出す必要があります。掘り出したオカワカメの今回は、新聞紙やキッチンペーパーなどにくるみんで冷暗所で保存をします。
【ベランダ水耕栽培】ペットボトルで育てたオカワカメの収穫

薄緑色の葉っぱが濃い色になり、厚みが出てきたころが収穫のタイミングです。
ただ、生食する場合には厚みがないほうが、おすすめです。生食するときには、生春巻きにしてチリソースを添えると色もきれいです。
根隗やムカゴも食べることができます。でんぷん質が豊富で粘り気があります。
山芋のように、おろし金ですってポン酢をかけたり、炊き込みご飯に入れたり、かき揚げにしたりして食べます。 加熱すると、ほくほくして甘みがあり、子供にも好評です。我が家では、素揚げしたムカゴに岩塩をつけて食べるのが人気があります。
【ベランダ菜園】オカワカメ栽培■まとめと雑学

オカワカメは、日本には中国からはいってきた野菜です。中国からはいってきたときには、「雲南百薬」という名で薬草として入ってきました。 沖縄では「ぬるっぱ」とか 「琉球百薬」と呼ばれています。ビタミンAと葉酸が豊富なので、夏には積極的に食べたいですね。
ベランダで育てて、グリーンカーテンとして楽しみ、大きくなったら食べちゃう…オカワカメは、とってもお得で見た目も可愛らしい野菜です。しかも、栽培が簡単で手もかかりません。 数ある野菜を利用したグリーンカーテンの中で、一番ベランダに向いていると思います。
オカワカメのベランダ栽培は、初心者におすすめです。是非、試してみてくださいね。
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