香ばしいナッツのような香りとピリッとした刺激が特徴のルッコラは、どんな料理とも相性が良く利用範囲の広いアブラナ科の野菜です。これからベランダで家庭菜園を始めたいとお考えの方に、お勧めしたいのがルッコラです。成長が早く丈夫で、栽培が簡単、失敗がありません。
原産地は地中海沿岸と言われ、夏の暑さに非常に強く、寒さにはやや弱いといわれていますが、東京のような中間地であれば冬の寒さにも耐えることができます。本来、日当たりを好む野菜ですが、半日陰くらいの日当たりのほうが柔らかくて美味しルッコラに育ちます。
自分で育てたルッコラの味を知ってしまうと、家庭菜園が やめられなくなっちゃうかもしれませんね。
ルッコラは、育てるにあたって注意点がいくつかあります。ベランダで育てる際のポイントをご紹介します。
【ベランダ水耕栽培】初心者でも簡単。ルッコラの品種。
ホームセンターでも、100均のお店でも、ルッコラの種を見かけますが、育ててみると大きな違いは感じません。たくさん種が入っていて安いということを重視して、ルッコラの種を選んでいいと思います。
【水耕栽培で育てる】ルッコラの品種■ロケット

ダイソーでも2袋で108円で手に入る、一般的なルッコラの種です。ホームセンターで手に入るのも、大体がこのルッコラ・ロケットですね。
葉っぱが柔らかくて、生でも調理しても美味しいルッコラです。
このページのルッコラは、この種を使って育てたものです。
【水耕栽培で育てる】ルッコラの品種■ ローマ・ロッソ (ルーコラ・セルヴァーティカ)

葉脈が紅色になる赤軸のルッコラです。ルッコラ・ロケットの野生種に近い品種だといわれています。
トキタ種苗からGusto Italiaというイタリア野菜シリーズの種が出されています。このシリーズの種袋のパッケージが素敵で、ついつい買ってしまいます。で、今回は、このシリーズから、ローマ・ロッソのルッコラ栽培日記始めました♡
【ベランダ水耕栽培】ルッコラの栽培環境について

ルッコラは、もともとは地中海地方発生の雑草だったようです。
ルッコラの栽培の歴史は古いものの、私たちが日本で食べるようになったのは、20年くらい前からではないでしょうか?
ルッコラは成長が早いので、小さめな葉っぱを摘み取って収穫して次から次へと収穫ができます。アブラナ科だけあって、春にはとう立ちして種を自家採取することができます。自家採取した農薬処理をしていない種は、スプラウト用に使うこともできます。
難易度 | 初心者むき |
まき時 | 春~晩秋。冬にはリビングで育ててスプラウトとして利用できます。 |
生育温度 | 寒さに弱く、暑さに強い。 |
害虫 | アブラムシや青虫に注意が必要です。 |
病気 | 特にありません。 |
日当たり | 日当たりを好みますが、日陰で育てたほうが美味しくなります。 |
ルッコラの育て方■難易度、病気や害虫

ルッコラは、大根やキャベツと同じアブラナ科の野菜です。アブラナ科だけあって、青虫の大好物です。
ベランダで野菜を育ててみると、低層階に比べて虫はいないけれど、ふと気が付くとモンシロチョウが飛んでいたり、スズメが来ていることに気が付くことがあります。
可愛いけれど迷惑な虫や鳥から野菜を守るには、ネットをかけてしまうのが一番です。
水耕栽培であれば、容器ごと防虫ネットに入れてしまうことも容易です。また、ネットをかけることで、ベランダの強風対策にもなります。ペットボトル水耕容器や野菜の葉っぱが飛んでしまって、近隣の方に迷惑をかけてしまうということも、防げるはずです。ネットは、100均でいろんな種類ものが売られています。100均のもので充分です。
アブラムシ対策に、寒冷紗を勧める方もいますが、アブラムシはどんなにピッチリ寒冷紗を張っても入ってきてしまいます。寒冷紗では、風の力を受けやすく、風の強いベランダで使うのはどうかと思います。水耕栽培装置ごと、風の影響を受けて倒れてしまうことがあるからです。
![]() |
|
私がアブラムシ対策に使っている薬剤は、住友化学園芸 家庭園芸用GFオルトラン粒剤です。
オルトランは、もともとプロの農家の人に教えてもらったもので、ヨトウムシ、ネキリムシ、コガネムシ 、アブラムシに幅広く効果があります。使える野菜も幅広く、これ一つ買っておけば、家庭菜園の害虫対策には充分です。
ルッコラの育て方■日当たり、温度

おしゃれなイメージのあるルッコラですが、もともとはヨーロッパでは自生をしていた植物です。こぼれ種から発芽して勝手に生えていることもあるくらい、生命力の強く、ルッコラは日当たりや温度に関してはあまり神経質になる必要はありません。寒さに弱いといいながらも、ルッコラは冬にはタンポポのように葉っぱを地面にくっつけてロゼット化して寒さをやり過ごします。春に温かくなってくると、とう立ちして花を咲かせ、さやができ種を作ります。
ルッコラは、日当たりを好む植物ですが、日陰で育てるくらいのほうが柔らかい葉っぱを楽しめます。半日陰でも、ルッコラは病気になったり、徒長してひょろひょろになってしまうということもありません。
(余談ですが、徒長ととう立ちを勘違いしている人がいますが、違いますよ♡)
ルッコラの育て方■培土・種まき

ルッコラは、通年育てることができますが、3月~4月にとう立ちしてしまうことを考えると、3月の種まきは、ベビーリーフ用として考えるか、あるいは種取用として考えたほうがよさそうです。上の写真の瓶の中に入っているのは、6月に自家採取したルッコラの種です。瓶の底から1.5センチ程度の種が採取できました。ルッコラは、種を採るのもとても簡単です。
ルッコラの葉っぱを楽しみたいと考えたとき、ベランダーで栽培するときの種まきの適温は、5月以降11月までと考えたほうがよさそうです。
ベットボトルに園芸土を入れ、数粒まいたルッコラの種の上に、土をうっすらとかけてあげます。
プランターや畑で種まきをするときには、ルッコラやバジルなどの種は小さくて水やりが難しいのです。
ペットボトルの水耕栽培の場合、下から適量の水を勝手に給水してくれるので、水やりの苦労とは無縁です。種まきはこれで完了です。
ルッコラは、種まきから1週間ほどで、発芽してきます。その後、種が込み合っているときには、間引いてベビーリーフとして食べてしまってもいいですし、ルッコラは移植にも強いので他のペットボトルに移し替えてもいいですね。
ルッコラの育て方■培土・種まき [一年中食べたい私のやり方]
ルッコラ大好きの我が家では、ルッコラを切らすと「ママのルッコラないの?」と催促されてしまいます。
そういう声も家庭菜園の喜びなのですが、冬場はベランダでの種まきからの発芽に無理があります。(主にベランダが寒くて、私が外に出たくないから…💦)ルッコラの発芽温度は、生育温度と同じ15~20℃です
私が実践している冬場のルッコラの育て方をご紹介します。
冬場の種まきは、暖かいリビングの窓際で行います。

トマトパックの空き容器に、脱脂綿を切って並べたものを、種まきの培土にしています。
脱脂綿に霧吹きで水分を与えて、その上にルッコラの種をパラパラと播いておきます。今回は葉っぱを育てる用ではないので、種は多めです。トマトパックは蓋つきのものを用意し、種まきの後は、蓋を閉じておきます。

1週間ほどで発芽してきます。
その間、脱脂綿が乾いていれば、霧吹きで水をかけてあげます。

このくらいの大きさになってしまえば、ベランダに出しても、もう大丈夫です。
冬のベランダでも、ペットボトル水耕栽培装置や プランターに移植して育てることができます。
脱脂綿ごと、培土に埋め込んで、上から水をかけてあげます。あとは、春夏の水耕栽培と同じように、下から給水をして勝手に大きくなってくれます。
冬場にベランダで育てるときには、ビニールなどをかけて保温をしてあげてくださいね。

ルッコラは発芽率がとてもいいので、脱脂綿に種まきをしたものは、ほぼ全部発芽します。
発芽して3センチ程度になれば、根元をキッチンバサミで切り落としたものは、ルッコラのスプラウトとして楽しめます。切り落としたルッコラは、ボールに入れたため水で軽く洗ってから使ってくださいね。 ルッコラスプラウトは、カイワレ大根より軟らかくて鮮やかな辛味があるので、美味しいですよ。
【ベランダ水耕栽培】ルッコラをペットボトルで育てます

ルッコラの場合、基本的に種まきをした後は、水耕栽培装置にセットしたままです。育った葉っぱを外側からかき取って収穫して、残っている株はそのままにしておくと、一年中収穫が続きます。
上の写真は、ちょっと播きすぎです。いつも私は播きすぎてしまいます。えへへ(*ノωノ)
12月になると、ベランダからはルッコラを食べてしまうような虫もいなくなります。
冬には、葉っぱも軸も色濃く、固くなります。早めにベビーリーフで収穫するのがおすすめです。
ルッコラは、栽培する季節や日当たりによって、色や硬さはもちろん、葉っぱの形状まで変わるのが面白い植物です。
ルッコラの育て方■追肥と手入れ
ルッコラは、追肥は必要なく水耕栽培の溶液だけで充分です。
ルッコラは一年草なので、収穫が終われば来年の種まきを待ちます。
ルッコラの育て方■ルッコラの花 エディブルフラワーとしてのルッコラ

ルッコラの花は、エディブルフラワーとして、食べることができます。
しかも、ルッコラの葉っぱと同じような辛味があり、プチッとした食感も楽しく、美味しいお花です。
ルッコラの花は、たくさん咲くので、是非食べてみてくださいね。
ルッコラの育て方■ルッコラの種の採り方

ルッコラは、気温が緩み始める春先になると、徒長したように茎を伸ばし始め、葉っぱは小さく茎は固く形状を変えていきます。そして、ルッコラの全長が、50センチほどになると、花を咲かせ始めます。その後、ルッコラの花が落ちてさやが膨らみ始め、種ができます。
花を咲かせ始めたら、日差しが良く当たる場所に移動してあげると、 面白いくらいに種をつけてくれます。
種が乾くまでそのままにしておき、種が乾き色が茶色くなってきたところで、茎ごとビニール袋に入れてます。ビニール袋の上から、さやを割るようにすると、ルッコラの種をこぼさず収穫ができます。
【ベランダ菜園】ルッコラ栽培■まとめと雑学

ルッコラの辛み成分は、アリルイソチオシアネートと言いますが、抗菌・抗がん作用があるといわれています。
でも、ルッコラの場合、栄養が…というより、美味しさ優先で、食べたくなっちゃいますよね!
ルッコラがスーパーに売られていることも、珍しくなくなりましたが、ほんの少しの量で200円もしてしまうものもあります。ルッコラは、サラダ用に買って食べるには、敷居が高いお野菜です。自分で育てると、家族のお弁当にルッコラのサラダが毎日つけられるくらいの量の、ルッコラを育てることができます。
ルッコラをベランダで育てるときの注意点は2つだけ。
①虫をルッコラに寄せ付けない。
②とう立ちしそうな季節には、外での種まきはそこそこに。
おうちの中で育てて小さいうちに食べちゃいましょう。
たくましく成長して栽培が簡単で美味しいルッコラは、ベランダ菜園にお勧めです。是非、試してみてくださいね。
コメント