料理に鮮やかな色を添えてくれるパセリは、主役級の野菜ではないのに スーパーで買うと結構なお値段がする野菜ですよね。パセリは、二年草の野菜です。パセリを一度播いておくと 必要な分だけ次々と摘み取って使うことができます。パセリがたくさん収穫できた時には、あると便利なジェノベーゼやパセリオイルにするような楽しみ方もできます。
丈夫で、育てるのは簡単なパセリですが、種まきと水やりに少しポイントがあります。今回は、毎年パセリを育てている実体験から学んだことや、注意点をご紹介します。
【ベランダ水耕栽培】パセリの栽培環境について

鮮やかな緑色をしているため、料理の添え物のイメージが強いパセリですが、栄養価が高く、栄養素の含有量は野菜の中でもトップクラスと言われています。肌のこと、目のことと、ダイエットのことを考えると、積極的に食べたほうがよさそうです。
パセリの原産地は、地球海沿岸だったという説が有力で、ローマ時代にはもうすでに食用されていたとか。
半日陰でよく育ち、収穫も一年中できます。なんと、パセリは種まきも一年中できるのです!
難易度 | 初心者~中級者むき |
まき時 | 春まきと秋まき。涼しい温度を心掛ければ一年中種まきができます。 |
生育温度 | 涼しい半日陰を好みます。 |
害虫 | アブラムシや青虫に注意が必要です。 |
病気 | 特にありません。 |
日当たり | 半日陰で育てたほうが美味しくなります。 |
パセリの育て方■難易度、病気や害虫

パセリを育てるときには、青虫、アブラムシに注意が必要です。
パセリをベランダで育てる場合、青虫対策には、防虫ネットの中で育てることをお勧めします。
パセリは、病気の心配はほとんどありません。
うどん粉病にかかることが、ごくごく稀にあります。
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アブラムシに注意が必要と言っても、他の野菜やハーブと比べると問題にならない程度です。
アブラムシを見つけたら、オルトランを適量使うのもいいと思います。
パセリの育て方■日当たり、温度

パセリは、涼しい半日陰を好みます。キッチンの端で育てて、グリーンインテリアとして楽しむこともできます。
パセリの生育適正温度は、15~20℃と言われています。
パセリは、冬の寒さには強く、冬も収穫ができますが、夏は葉が固くなったり、外側の葉っぱが枯れてしまったり黄色くなることがあります。パセリは、強すぎる日差しにはあてないようにしたほうがいいでしょう。
子供のころのパセリの想い出と言えば、食べているとびっくりされるくらいの評価の野菜だったように思います。パセリの匂いが好きじゃないっている人が多いと思いますが、強い日差しに当てると、あの青々した匂いの強いパセリになります。半日陰で育てたパセリは、香りもマイルドで柔らかくて美味しいですよ。
ちなみに、夏の日差しにダメージを受けたパセリはそのままにせず 日陰に移してあげると、しばらくすると復活してくれます。
パセリの育て方■培土
パセリは、水分をよく含んだ土を好みます。土は園芸土で充分です。
パセリの種まきは、春まきと秋まきが一般的ですが、実は一年中可能です。パセリの種まきの適正温度は15~20℃と言われ、その温度さえ守れば、一年中種まきはできます。
パセリの種は、発芽率が悪いので、種を一晩水につけてからの種まきがいいといわれています。私はそのひと手間が面倒なので、園芸土にピートモスを2割程度混ぜて、吸水性のいい土にしてからパセリの種を播いています。
パセリの育て方■種まき

パセリは、 根を真っすぐに伸ばす 直根性(チョッコンセイ)という性質をもつ植物なので、植え替えに向かないといわれています。ですが、種まきの土をピートモスや種まき用の柔らかい用土にすれば、根を傷つけずに植え替えもできます。
ペットボトル水耕容器で水耕栽培をするときには、直接ペットボトルに園芸土を入れて種まきをしてもいいのですが、発芽率の悪さから何も生えてこない危険もあります。そうなると、ペットボトル水耕栽培装置と、場所が無駄になります。
私の場合は、トレーやトマトのパックなどにパセリの種を播いて発芽させ、本葉3~4枚程度まで成長したタイミングでペットボトル水耕栽培容器に移植します。このやり方をすると、ペットボトルと場所のロスがなくて済みます。
ベランダ菜園では、野菜を育てるスペースのやりくりが、成功の素です。
トマトパックに2割ほどピートモスを混ぜた園芸土を入れ、パセリの種をパラパラと バラマキします。 パセリの種は多めに播きます。
パセリは発芽の時には、日光を好みます。種の上にかける土はごくごく薄く…薄く土をかけるのが難しい場合には、新聞紙やキッチンペーパーで種を覆ったほうが安全です。種を覆ったら、霧吹きで水を吹き湿らせてあげます。
新聞紙やキッチンペーパーで種を覆った場合には、発芽したら早めに取り除いてくださいね。取り除かないと徒長します。
【ベランダ水耕栽培】パセリをペットボトルで育てます

種まきからしばらくすると、ギザギザの形の葉っぱが出てきます。最初に発芽した子葉の次に出てくる葉っぱを、本葉と言います。発芽したパセリは、本葉3~4枚程度の頃に、ペットボトル水耕栽培装置に移植します。
パセリの育て方■苗の植え付け
直根性のパセリは、移植をする場合には、あまり大きくならないうちに移植することが大切です。
ペットボトル水耕栽培装置に、軽く園芸土を入れ、ふんわりと赤ちゃんパセリを載せてあげます。パセリの周りに土を寄せて、軽く抑えるようにしてあげれば移植は完了です。
パセリを移植したペットボトルを、溶液を入れた水耕栽培装置にセットし、上から霧吹きで水分をあげてしっとりさせてあげてください。
パセリの育て方■水やり・追肥
水耕栽培装置にセットしてしまえば、浸透圧で吸水布から溶液が上がり、パセリに養分と水分を与えてくれます。翌日からの水やりは基本的に不要です。
ただし、パセリが乾燥に弱いので、土を乾かさないことが大切です。万が一ペットボトルの中の土が乾いてしまうようなことがあれば、霧吹きで充分に水を与えてください。
【ベランダ水耕栽培】ペットボトルで育てたパセリの収穫

気温が高くなると、パセリの脇芽がどんどん伸びてくるので、早めに摘み取って収穫します。パセリは、脇芽を早めに収穫すると新芽の生育が良くなります。
パセリの育て方■収穫・手入れ・越冬の仕方
パセリの元気が良くても、全部取ってしまわずに数枚の葉を残すようにして収穫します。いつも新鮮なパセリを収穫するためには、一度にたくさん収穫してしまわないことがコツです。
パセリは、冬は脇芽を摘まずに伸ばし、春にトウが立ったら早めに花芽を摘み取っておくと、収穫期間が伸びます。
パセリの育て方■パセリの種の採り方・挿し芽
パセリは2年目にとう立ちした花を咲かせると、種を採ることができます。その種は、もちろん翌年に播くことができます。
パセリは挿し芽にはできません。パセリの場合、根元から分かれて生えている枝のように見える葉っぱこそが、一枚の葉っぱです。葉っぱを水につけても根は出てきませんし、当然挿し芽もできません。スーパーで買ってきたパセリを、挿し芽にして増やすことはできません。
【ベランダ水耕栽培】パセリ栽培■まとめと雑学

料理の添え物に使われることが多いパセリですが、その理由は彩りが美しいからだけではなく、 緑の色素の素である「クロロフィル」が豊富に含まれていて、口臭予防をしてくれるからです。焼肉を食べた後に、口臭予防のガムやタブレットをもらうことがありますよね。あれらと同じ役割をしてくれます。
私は、お肉の獣臭さがあまり好きではないので、パセリがたくさん採れた時にパセリオイルやジェノベーゼソースをたくさん作っておいてお料理に使います。緑色が濃くて美しく、お肉の獣くっさを打ち消してお料理の良い匂いを引き立ててくれます。オムレツに混ぜたりしても、卵の香りを一段グレードアップしてくれるので、おすすめです。
一年中キッチンで活躍することが間違いないパセリは、ベランダ菜園にお勧めです。是非、試してみてくださいね!
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